カーンバーグの自己愛性人格障害

カーンバーグの自己愛性人格障害

カーンバーグにとって自己愛性人格というのは、本質的に防衛メカニズムであると位置づけています。

 

自己愛的な人は、統合された自己、統合された他の対象イメージの概念を作るのに失敗しています。
言い換えれば、全て良いか悪いかの思考になってしまっています。

 

自己愛者はより凝集度の高い自己に達するには、理想の自己、理想の対象、そして自己イメージをうまく融合しなければなりません。
このような融合がたとえ現実を歪めたとしても、それは経験の連続性が保たれるものであり、また社会的な適応の方法も持ち得るものです。

 

カーンバーグの定義では、自己愛性人格というのは補償的であり、幼児期の発達に対する防衛です。

 

自己愛性人格障害の治療は病的な誇大的自己分析であり、それはまた治療者にこの誇大的自己の転移が起こることであり、この転移の分析が中心になります。

 

カーンバーグは、自己愛性人格障害は発達早期の自己愛段階での固着や発達停止に起因するのではなく、自己愛着の病的形態と対象愛着の病的形態との同時発達によるものであると捉えています。

 

また、自己境界が安定する発達のある段階で、自己像と対象像との再融合が起こり、その後に理想自己と理想対象と現実の自己像との融合が対象像を壊すことなく起きてくるとしています。
この考えは、退行再融合論と呼ばれています。