自己愛性人格障害の治療:治療の枠組みを守る重要性

自己愛性人格障害の治療:治療の枠組みを守る重要性

自己愛性人格障害を治療するにあたって、治療の枠組みを守ることは非常に重要です。

 

治療契約で約束した枠組みを堅持できなければ、人格障害の治療は進められません。
奇妙に聞こえるかもしれませんが、基本的な治療枠組みが確立していないと、人格障害を持つ人は、自由に自我を成長させられません。

 

自己愛性人格障害のような人格障害を持つ人は、他者との枠組みを壊すことでしか、他者に対する信頼感を確認できないと感じています。
こうした対人関係のパターンを突き崩さないと、健全な対人関係を発達させることができません。
人格障害を治療する臨床家は、治療枠組みを守りながら、その枠組みの中で、来談者の信頼を獲得することが求められます。

 

また、治療枠組みを確立させておかないと、治療者に大きな精神的な負担がかかります。
いつでもどこでも携帯電話に自殺予告が届くというストレスはすさまじいものです。

 

一度治療枠組みを壊してしまうと、来談者は次々に要求を膨らませます。
プライバシーを来談者に明かしてしまうと、治療者が息を抜く私的空間にまで来談者が入り込む危険性があります。

 

来談者のとどまることのない要求に治療者がつぶされないように、治療契約は治療者を守る防波堤の役割を担っています。
治療契約で明言された枠組みを堅持することは、来談者だけでなく治療者にとっても、重要な意味を持っています。