自己愛性人格障害の2タイプ
自己愛性人格障害は現れ方によって大きく2つのタイプに分かれます。
周囲を気にかけないタイプと周囲を過剰に気にするタイプです。
- 周囲を気にかけないタイプ
- 周囲を過剰に気にするタイプ
極端に自己中心的で、他者からの賞賛を求め、注目の的でないと気に入りません。他者への配慮はなく、傲慢・不遜な態度が目立ちます。
例:『リア王(シェイクスピア)』のリア王
見えすいたお世辞と真心込めた言動の区別がつかず、孝行娘を勘当してしまうリア王です。常に自分への賞賛を欲っしています。
気にしているのは他者の目に映った自分の姿です。注目の的になるのを避け、内気で恥ずかしがり屋で、傷つけられたと感じやすいです。尊大な自己イメージを持っています。
例:『人間失格(太宰治)』の葉蔵
他者の反応に過敏で、すぐに傷つく葉蔵ですが、自分には本当は才能があるという思いを持ち続けています。過敏さと尊大さを合わせ持っています。
自己愛性人格障害は、同じ障害とは思えない両極端な現れ方をすることがあります。しかし、その根本にあるものは共通しています。強すぎる自己愛の延長としてしか、他者を捉えられないという点です。
また、現れ方は極端に違っても、尊大さの陰に劣等感があったり、内気に見えて尊大であったりと、同じ矛盾を抱えています。