自己愛性人格障害:自己愛的な現代社会
近年、社会全体が自己愛的になっています。
アンケートによると、自分が言ったことを他人がどう受け取るか気になる、人前で何かするとき自分のしぐさが気になる、といった人が増加しています。
これらの項目は、人から自分がどのように見られているかを気にする性格傾向を意味します。
人からどのように見られているか常に注意を払い、見られる自分姿を好ましいものにしようと努力します。
しかし、人にはわからない内面の成長をもたらすような趣味には興味を感じません。
若い女性に見られるダイエット志向や、中高年女性の被服や化粧に対する関心の強さ、見栄えを気にした趣味やスポーツの流行などはそのためとも言えます。
また企業も自己愛を助長するようなマーケティングをするようになりました。
これを使ったらいい女になれる、これを使ったら仕事ができるようになる、など表面しか捉えていない販売展開をしていることがあります。
このように、現代人全体が自己愛的な傾向を持ち始めている可能性があります。
こうした現代社会のあり方は、自己愛性人格障害を持つ人を生みやすい風土になっているのかもしれません。
健全な自己愛なら問題ありませんが、不健康な自己愛にならないよう気を付ける必要があります。