自己愛性人格障害の原因:乳幼児期に得られなかったものを探し続けている
持って生まれた気質というより、後天的な要因によって自己愛性人格障害は生まれるという説もあります。
カーンバーグと並ぶ権威であるコフートは、幼い未熟な自己愛を満たす共感を得られなかったために、自己愛の成熟が阻まれたことに原因があるとしました。
共感とは、自分のしたことを見てほしくて、誇らしげに振り返る子どもに、「すごい!」と称賛を送ったり、子どもの夢物語を受け止めたりするようなことです。
子供はもともと「何でもできる!」「こんなにできる!」といった自己顕示的で誇大な自己愛をもてちます。
母親、父親、身近な人から共感を得ることが、子どもの自信につながります。
自分で自分を支えられるだけの自信を持てるようになると、自己愛は健康的で成熟したものへと変化します。
しかし、乳幼児期に幼い自己愛を満たしてくれるような共感が得られないと、自己愛は未熟なまま発達がとまってしまい、その結果、自己愛性人格障害になってしまいます。
このように後天的なものが原因で自己愛性人格障害になっている場合は、幼い頃に満たされなかった気持ちを癒すことで症状はおさまるでしょう。
健全な自信を獲得することで、不健全な自己愛を健全な自己愛に作り変えます。