自己愛性人格障害の性質:自分は特別という意識
自己愛性人格障害の人は、自分は特別という意識が異常に強いです。
特に実績を上げているわけでもなく、周囲から見ても特別有能とも思えないのに、常に賞賛を期待し、特別扱いを求めています。
そのような人が部下である場合は、初歩的な仕事をしただけなのに、褒めてもらって当然というような期待をします。
上司が褒めれば、満足げな表情で次の仕事に取り掛かりますが、褒めずに次の仕事を割り振ると、物足りなさそうな表情で、仕事がどんどん雑になっていく傾向があります。
それだけならかわいいものですが、ひどい場合は、単純作業の仕事が回ってくると、周囲の同僚に押し付けてしまいます。
自分が嫌な仕事を他人に押し付けて平気なのは、周囲の人間と自分は違うのだといった特権意識があるからです。
自分は雑用をする人間ではない、もっとクリエイティブな仕事や、会社全体の方針に関わるような重要な仕事を任されるべき人間だと思っています。
しかし、自己愛性人格障害の人は、本当のところ自信がなくて不安でいっぱいです。
誇りが持てない、自尊心が保てない、だから周囲の人たちに持ち上げてもらわないと、惨めな気持ちになって自分が崩れてしまいます。
周囲から賞賛されたり、特別扱いされたりすることで、少しでも誇りを持てるようになりたいという心理が働いています。
本当に自信がある人は、賞賛や特別扱いなどを要求しません。
重要な役割に自分が選ばれないときに、攻撃的な反応を示すのも自信の無さのあらわれです。
能力の無い自分、平凡な自分といった現実を受け入れることができないので、このような言動に走ってしまいます。