自己愛性人格障害の深層心理:その気になれば何でもできる
自己愛性人格障害の人は深層心理として「その気になれば何でもできる」という気持ちを持っています。
人生は誰しも思い通りにならないことの連続です。
願っていることが叶わなかったり、一生懸命頑張っても努力が報われなかったりします。
自分の限界を知り断念することもまた、成長過程において必要です。
こういった挫折体験を重ねることで等身大の生き方を身につけ、現実的な生き方を確立します。
しかし、自己愛性人格障害の人はそうした断念をスムーズにすることができません。
自分の限界を突きつける現実から目を背け、幻想的な万能感いしがみつきます。
誰だって自分はダメだと思いたくないし、傷つきたくありません。
普通の人でも、現実を歪めて身を守ることはしばしば見られることです。
しかし、自己愛性人格障害の人はその逃避が度を越しています。
現実の壁にぶつかる自分を受け入れることができず、何でもできる自分という幻想を抱きます。
幻想を打ち砕かれないよう、社会との接触を避けます。
それは社会に浸かると嫌でも自分の限界に直面せざるをえない場面に遭遇するからです。
現実との間に距離を置かない限り、自分は何でもできる、願いは叶うという都合のいい幻想を維持することができません。