自己愛性人格障害の対応:批判や説教ではなく共感から始める
身勝手な自己愛性人格障害の患者に対し、否定的な感情しかもてないことはよくあります。
そんな時は、問題行動と患者の存在そのもののを切り離して見つめてみましょう。
共感することが重要です。
周囲は患者の言動に動揺しがちです。特に暴力や暴言には、その場しのぎの対応になりやすいです。
しかし患者と適切な距離を保つには一貫した対応が大切です。
ポイントは次の通りです。
- 提案と同意
- 対応範囲を明確に
- 現実の認識
家族全員で話し合う時間をもった上で、家族からの提案と、対応できる範囲を患者にはっきり示し、同意を得ます。
一度決めた対応範囲は示し続けます。限界ラインを超えることがあった場合にも、取り決めをなしくずしになるような対応はしません。
強く願えば何とかなる、何かきっかけがあれば全て劇的に良くなる、といった非現実的な考え方はせず、現実を見据えます。
家族をはじめ周囲の人々は、患者の言動に怒りや無力感を覚えることも少なくないです。しかし、患者を突き放したり、拒否したりしているだけでは、事態は好転しません。
問題行動には毅然とした態度が必要ですが、患者の存在そのものは否定せず、良い面を理解し、ほどよい温かさを維持することが大切です。