自己愛性人格障害の家族の対応:治療の協力者という立場になる
家族は、自己愛性人格障害の治療の中で大きな役割を果たす力を持っています。
患者はどうして自己愛性人格障害になったのか、自分の接し方が悪かったのだろうか、などと自分を責めるよりも、患者のために何ができるか考えてみてください。
治療の協力者という立場を保つことが重要です。
家族が患者に責められたり、家族同士でも「お前のせいだ」「あなたが悪い」などと責め合ったりすることがよくあります。
こういったことは全くの不毛です。
率直に過去を振り返ることは必要です。
しかし、自己愛性人格障害を生み出した原因は何か、といった犯人探しは誰のためにもなりません。
家族はこれからどうすればよいのか、どのように治療に協力していけるかを考えていくことが大事です。
家族ができることには次ようなものがあります。
- 患者本人に対して:お互いに尊重します
- 医療側に対して:治療の目的と手段を確認します
非難し合い、もたれあう関係ではなく、それぞれが互いに自分自身の人生を生きていくことを尊重し合います。
治療のスタート時は、患者本人とともに家族も医療側と話し合い、治療の目的や手段などを明確にしておきます。
自己愛性人格障害の治療は容易なものではありませんが、家族の支えによって良い効果を生み出すことができます。