自己愛性人格障害の治療法:家族療法
自己愛性人格障害の治療として、患者本人だけでなく、患者の家族も面接の対象とした家族療法がおこなわれる場合があります。
家族療法の主な種類は次の通りです。
- 家族合同面接法
- 構造的家族療法
- 短期集中療法
- ミラノ派家族療法
コミュニケーションの乏しさを改善するために、毎回、家族全員が参加することを義務づけ、話し合いを進めます。
親の立場、子の立場を明確にするなど、家族の役割を築きなおすことで、家庭内の安定を図ります。
問題解決を中心的に取り組んでいるキーパーソンに、今までとは違った方法を提示し、実行してもらいます。
固定化した家族の在り方を変えるチャンスととらえ、一人一人に対して治療に結びつく関わり方を支持します。
患者も家族もまた、自己愛に問題を抱えていることが少なからずあります。自己愛の病理は家族の関係性の中で育まれていくものであり、煮詰まった家族関係は、家族メンバーそれぞれに影響を与えます。
こうした関係性の改善を図ることで、家族が持つ問題解決の力を高めようとするのが、家族療法の目的です。
不健康な自己愛を生んだ犯人探しをしようというわけではありません。
むしろ、家族は治療の最大の協力者と考えています。
子どもに影響を与えるありがちな親のタイプは次の通りです。
- 管理・監視タイプ
- 支配願望タイプ
- 二重拘束タイプ
子どもの行動をくまなくチェックし、子どもに秘密をもたせず自立を阻みます。
過保護、過干渉、さらに管理・監視で子どもを徹底的に支配しようとします。
羨望と嫉妬から自立させまいとしながら、社会的な成功も求めます。