自己愛性人格障害:平気でわざとらしいことをする
自己愛性人格障害の人は、平気でわざとらしいことをします。
人より目立ちたい、うまくいきたいという思いが強すぎてわざとらしさが出て、周囲から少し浮いたような存在になることがあります。
いわば、人からどう見られるか気にするあまり、実際に人からどう見られているか鈍感になるというパラドックスです。
自己愛の強い人は、本や雑誌、テレビなどで紹介された自身を魅力的に見せるアイテムやテクニックにはまりがちです。
自分を有能に見せたい、魅力的に見せたいという思いが強すぎるからです。
しかしこれらは、多くの人々に知られたという意味で、ほとんど通用しません。
自己愛性人格障害の人は、自分をモニターする機能が鈍っています。
自分の言動が適切かどうかモニターすることを自己モニタリングといいいます。
人は、その場にふさわしいものになっているか、周囲からどのように見られているか、モニターをしながらまた修正をしていきます。
普通の人は、自己モニタリングが正常に働いており、わざとらしくはなりません。
しかし、自己愛が強いとこう見られたいという自分の欲求が先走り、実際にこう見られているという周囲の視点に思いが及びません。
その結果、わざとらしさが露呈します。
本人の意気込みとは裏腹に、周囲の人から残念な目で見られています。
これは自己愛性人格障害の人が陥りやすい落とし穴です。