自己愛性人格障害:自分ではなく他者を変えようとする
自己愛性人格障害の人は、自分ではなく他者を変えようとします。
どれほど他者と親しくても、相手は自分の分身ではなく独立した個人同士なのだから、性格も趣味も習慣も違うのは言うまでもありません。
しかし、自己愛性人格障害の人は、そのことは頭では理解していても行動につながりません。
相手が一方的に自分に合わせることを当然のように要求します。
例えば、食事の際の店選びでは自分の食べたいものを中心に考えたり、映画も自分の見たい映画しか見ようとしません。
以前に相手が付き合ってくれたから、今度はあまり興味ないけれど自分が付き合ってあげよう、という気持ちにはなりません。
音楽の趣味、服装の趣味、休日の過ごし方、旅行の行く先なども同様です。
親しい相手と何でも共有したいという気持ちは、誰にでもあります。
しかし、自己愛性人格障害の人は、相手に合わせるつもりが一切なく、一方的に自分のやり方を押し付け、相手を変えようとします。
すなわち、歩み寄る姿勢が全くありません。
相手が合わせてくれないと、批判したり、拗ねたりと攻撃的な態度をとります。
大抵の場合は、相手は不満を募らせ、愛想を尽かすことになります。
このように、自己愛性人格障害の人は、親しくなると関係が悪化するという特性を持っています。