自己愛性人格障害とナルシシズム(ナルシズム)
自己愛性人格障害とナルシシズムの関係は非常に深く、ナルシシズムとは自己愛を意味します。
ナルシシズムは日本語では、ナルシズムと言われることもあります。
精神分析学者であるフロイトが、ナルシシズムという用語を使い始め、それを自体愛と対象愛の中間の位置にある愛情だと定義づけています。
自体愛とは、乳幼児の指しゃぶりに代表されるように、自分自身の体の一部を欲求の対象とするものです。
反対に、対象愛とは、他者を愛情の対象とするものです。
フロイトによれば、他者を愛する前段階として、ナルシシズム的に愛情の対象を選択します。
この対象選択は、依存型とナルシシズム型の2タイプに分けられます。
- 依存型
- ナルシシズム型
母親やそれに代わる養育者に対する愛情が元となり、自分の世話して保護をしてくれる異性を求めます。
自分自身を愛情の対象とし、相手を愛するのではなく、自分を愛してくれる異性を求めます。
ナルシシズム型の人間は、他者を愛の対象にしようと思っている人間の目には魅力的に映ります。
また、ナルシシズム型の女性は、一般的に男性に対して冷淡です。
しかし、自分の子供に対しては、自分自身の身体の一部でもあったので、例外的に対象愛を向けることができます。
子供の自立を阻害するほどの愛情を注ぐ母親の背景にはナルシシズムが隠れている場合があります。