自己愛性人格障害と草食系
近年普及した「草食系」という言葉も、自己愛性人格障害との関連が指摘されています。
「草食系男子」などという言い方でよく使われ、心優しく、傷つけたり傷つけられたりといったことが苦手で、恋愛に積極的でない男子を指します。
伝統的な男らしさとは対照的に、線が細く頼りなくて、良く言えば強引さがなくて優しいです。
また、最近では「草食系カップル」という言葉もあります。
一応付き合ってはいるけれど、恋人よりも友人に近い感覚で付き合ってるカップルのことを指します。
草食系男子にしろ、草食系カップルにしろ、恋愛に対する消極性を抱えていることが特徴です。
そしてこの背後には、自己愛を傷つけられたくないという気持ちがあります。
思い切って友人から恋人に踏み出せないのは自己愛が傷つくのを防ぐためです。
告白してもし断られたら傷つくし、みじめだと感じるからです。
そのような自分に耐えられません。
また、付き合っても深入りせずに適度な距離を保とうとするのも、行き着くところまで行き着いて破局になったら自己愛が傷つくからです。
本気にならなければ、適度な距離を保って楽しめます。
万が一別れることになっても傷は浅くてすみます。
このように、相手と本気で向き合うことより、自分の自己愛を守ることを優先する風潮が昨今の社会には蔓延しています。