自己愛性人格障害の人は安心できる場所がない
自己愛性人格障害の人は、安心できる場所、くつろげる場所がありません。
なぜなら、自己愛が強すぎて閉ざされた自己の世界に生きているがゆえに、社会に自分という存在を根付かせることができないからです。
自己愛性人格障害の人は、社会的役割を果たすことで自己愛を満たすのではなく、表面的な格好良さを追求して自己愛を満たそうとする傾向があります
例えば、容姿や服装、持ち物、身のこなしなどです。
人は社会的役割を担うことによって社会につなぎとめられています。
すなわち、社会的役割を果たさないと社会との間に溝が生まれてしまいます。
表面的な自己愛の満たし方を追求していると、社会に居場所をつくることができず不安定な立場となります。
この不安定な立場がまた、自信のなさや不安といった不安定な心理状態を生み出し、悪循環を生み出します。
こういった人が増えた背景には、社会的な縛りがゆるくなり、どのような社会的役割を担ったらよいか個人が悩まねばならない時代になったことも関係があるでしょう。
自己愛性人格障害の人は、自分の欲求のままに自己愛を満たしていても決して心地が良いわけではありません。
物足りなさを感じつつどう行動すればよいのか分からないのです。
生きづらさを抱えつつ、自己愛の世界をさまよっていると言ってもよいでしょう。