自己愛性人格障害の増加の原因:インターネット上での別人格
近年の自己愛性人格障害の増加の原因の一つに、インターネット上で容易に別人格になれるということが挙げられます。
実世界は、ほとんどの人がさまざまな我慢を強いられます。
こんなはずじゃなかったということが少なくありません。
そして、自分の限界を受け入れざるを得ない局面にも出くわします。
入りたい大学があったけど入学試験で不合格になった、芸能人になりたいのにオーディションに合格しない、クラブ活動でレギュラーになりたいのに周囲の強い選手がいてレギュラーになれない、などです。
このように現実の世界は、思い通りにならないことが多くストレスに満ちています。
そのストレスを発散する一つの方法として、インターネットをすることは有効ですが、向き合い方を間違うと逆効果になってしまいます。
インターネットの世界では、もう一人の理想の自分を容易に演出することができます。
匿名性があり、どんなキャリアでも手に入ります。
性別や年齢でさせ思いのままです。
現実の世界での限界を受け入れることが辛い人間は、ネット空間にどっぷりのめり込み、自己愛の幻想に浸るようになります。
そして万能感の幻想から抜け出せず、自己愛過剰な世界から抜け出しにくくなり、ついには自己愛性人格障害となって周囲の人を困らせます。