自己愛性人格障害の増加の原因:お客様扱いの社会
日本はサービスが充実していてお客様扱いの社会ですが、それが自己愛性人格障害を増加させる原因の一つになっています。
商品を購入する立場か、販売する立場かで言葉遣いが決まり、お金を支払う立場の客は当然のように丁寧な扱いを受けます。
かつてはお客に対してであっても、フラットな対応であったのに対し、現在では完全にへりくだった調子でお客様扱いされます。
子供に対しても店員からは敬語で接されるのが普通です。
金を払う立場の客は、年齢も人格も問われず無条件に尊重されます。
どんなに未熟者でも、普段人に迷惑かけていても、客というだけで丁重に扱ってもらえます。
厳しい顧客獲得競争に晒されている店側は、「お客様は神様」というポリシーでますます客を丁寧に扱い、客の自己愛をくすぐって引き付けておこうとします。
このような風潮は良い側面もありますが、自己愛という側面においてはデメリットになります。
消費社会における極端なお客様扱いは、多くの現代人の自己愛を肥大化させてしまうからです。
お金を払って物やサービスを受け取るというのは、一種の対等な交換であるのに、どちらかが極端にへりくだることで、病的な自己愛過剰な社会が加速します。
こうして、自己愛が肥大化しモンスター化した消費者はクレーマーとなります。