自己愛性人格障害の治療:防衛パターンをくり返す

自己愛性人格障害の治療:防衛パターンをくり返す

自己愛性人格障害の人は、今まで使ってきた対人関係のパターンを治療場面においても維持しようとします。

 

人格障害を持つ人は、自分を守るために対人関係で特徴のある行動をとります。
自分を防衛するために、異なる相手に対しても同じような行動をとるため、こうした行動パターンを防衛パターンと呼びます。

 

治療の初期では、防衛パターンがくり返し示されます。
自己愛性人格障害をもつ来談者は、完璧な自分を維持させてくれるように振る舞います。
例えば、治療者が来談者の自尊心を傷つけるような意見を述べることができないような雰囲気を作ります。

 

治療者が気づかぬうちに、来談者をお姫様扱いして、どんな要求でも受け入れたい気持ちになっていることもあります。
異性からの関心を受けていないと不安になる来談者は、治療者を誘惑するようなそぶりを見せることもあります。

 

このように、治療初期には、来談者は治療者を困らせる多様な行動をとります。
こうした行動は、治療者を怒らせたり、困惑させたり、無力感を引き起こさせたり、同上させたりします。

 

これらはいずれも、来談者が治療者を感情的にコントロールしている現象です。
専門用語で「巻き込まれている」または「逆転移を起こしている」と言います。
したがって、来談者の巻き込みにどう対処するかが、治療の重要な課題の一つになります。

 

ただし、来談者自身は意図的に巻き込みを行っているとは限りません。
むしろ自然にあまり意識しないまま、今までとってきた防衛パターンを再現したり、治療者との関係が信頼できるものであるかどうかを確かめるために、治療者を振り回し、巻き込んでいることが多いようです。